絵画の初期と言われる祭壇画にも、変化の兆しが見えていったと言われています。聖堂の建物そのままを表現したような祭壇画の周辺の枠も同様とされています。絵画が目では捉えられない崇拝する対象とされたものを描いていたのが徐々に目で見ることのできる実在する自然その他のものへ対象が移り変わっていったように。初期に祭壇画とされるのが、フラアンジェリコの『受胎告知』。周りを飾る枠はまさに建築物そのものと言えるくらい精巧にまねられたものでした。この形態をまねたものがしばらくは基本となる画枠となっていったのです。これがいわゆるアエディクラという形態で、そのベースとなったのはタベルナクルム額縁というタベルナクルム(聖龕)であったというのがよく知られるところでしょう。