中世初期には、絵画の展示の仕方に2種類存在していたことがわかっています。これは絵画の形状に負うとろが大きく、縦長か横長の絵画でその展示の仕方も変わってくるというものです。例えば縦長の絵画では上辺に立体的な彫り込みのある絵画を覆うまさに天蓋を模した枠が多く見受けられます。かたや横長の絵画では内枠から外枠への配列により中の絵画との区切りを強調するかの造りとなってのが見られます。
この傾向は後々まで受け継がれた基本的な形態と言われています。またよく画枠に使用されるデザインとして建築物も模したもののほか、ヤシの葉や数珠のようなものが見受けられます。これらも当時の額縁が建築物の中に存在する聖者を囲ったり、ヤシの葉や数珠から関連される縁起の良いしるしとして用いたりする風習の表れとされているのも面白いところかもしれません。